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成人式振袖の会社が倒産したらどうなる?返金・事件の事例と失敗しない会社選びのポイント

「成人式の振袖の会社が倒産したら、払ったお金はどうなるの?」
「振袖が届かないなんてことにならない?」
「もし契約した会社がつぶれたら、成人式はどうすればいいの?」

一生に一度の成人式を楽しみに準備を進めているのに、こんな不安が頭をよぎったことはありませんか?

実は、成人式の振袖の会社が倒産して、当日に振袖が届かなかったり、前払いしたお金が戻ってこなかったりするトラブルは実際に起きています。

2018年の「はれのひ事件」では約1,600人もの債権者(新成人や取引業者など)が被害に遭い、2024年末にも沖縄で同様のトラブルが発生しました。

元振袖業界の販促担当として多くの成人式に携わってきた筆者・木本ゆりが、業界のリアルな裏側を踏まえてお伝えします。

この記事では、成人式の振袖の会社が倒産したときに何が起こるのか、そしてそうならないために今からできる対策をわかりやすくまとめました。

この記事を読んでわかること
  • 振袖が届かない倒産トラブルの実態
  • 前払いしたお金が返金される可能性
  • ハレノヒ事件のその後と被害者の現実
  • 倒産リスクの低い安全な会社の選び方
目次

成人式の振袖の会社が倒産したら何が起こる?被害の実態と返金の可能性

「成人式の振袖の会社が倒産したら、振袖が届かないのでは?」「前払いしたお金は返金される?」……そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実際に、国民生活センターは2026年2月5日付で「成人式の晴れ着レンタルでは1〜2年先の早期契約が多く、業者の倒産などのリスクもあるため十分に検討を」と注意喚起を出しています。

また、2018年には実際に振袖レンタル会社が成人式当日に突然営業停止する「ハレノヒ事件」が発生し、多くの新成人が被害を受けました。ここでは、その後の経緯も含めて、倒産時に何が起こるのかをリアルにお伝えしていきます。

振袖が届かない?倒産時に起こるトラブルの具体例

振袖の会社が倒産すると、具体的にどんなトラブルが起きるのでしょうか。

実際に過去の事例を見てみると、主に次のような被害が報告されています。

倒産時に起こる主なトラブル

  • 予約していた振袖が届かない:成人式当日に会社が営業停止し、レンタルや購入した振袖が手元に届かないケースがあります
  • 着付けサービスが受けられない:振袖とセットで予約していた着付け・ヘアメイクも当然キャンセルに。当日に別の美容院を探すのは至難の業です
  • 前撮り写真のデータが受け取れない:撮影済みの写真データや仕上がり品が、会社の閉鎖とともに受け取れなくなることがあります
  • 預けていた自前の着物が返ってこない:仕立て直しやクリーニングに出していた自分の着物が、会社に預けたまま戻ってこない被害も発生しています

わたしが以前いた振袖業界でも、「前払いしたのに商品が届かない」というトラブルは本当に怖いものとして語られていました。
とくに成人式は人生で一度きり。やり直しがきかないからこそ、ダメージが大きいんです。

振袖のレンタルや購入では、1〜2年前から契約して代金を前払いするケースがほとんどです。

つまり、契約してから成人式当日までの間に会社が倒産してしまうと、お金を払ったのに何も受け取れないという最悪の事態になりかねません。

「まさかうちが契約した会社が……」と思うかもしれませんが、実際にこのトラブルは起きています。

次の見出しでは、支払い済みのお金が返ってくるのかどうかをお伝えしますね。

返金される?前払い金を取り戻すための手続きと現実

結論からお伝えすると、振袖の会社が倒産した場合、前払いしたお金が全額返ってくる可能性はかなり低いです。その理由を、わかりやすく整理しますね。

なぜ返金がむずかしいのか?

会社が倒産(破産)すると、裁判所が選んだ「破産管財人」という弁護士が、会社に残っている財産を調べます。そして、残った財産はこんな順番で支払われていきます。

スクロールできます
優先順位支払い先具体例
1位財団債権税金・破産管財人の報酬
2位優先的破産債権従業員の未払い給料
3位一般的破産債権お客さんへの返金はここ

ご覧の通り、わたしたち消費者への返金は「3番目」。

しかも、そもそも倒産する会社にはお金がほとんど残っていないことが多いため、1位・2位の支払いだけで財産がなくなってしまい、3番目の消費者には1円も返ってこない……というケースが現実に起きています。

「返金される」と思いたい気持ちはよくわかります。でも、正直にお伝えすると、破産した会社からお金が戻ってくることはほぼ期待できないのが実情です……。

クレジットカード払いなら返金の可能性がある

ただし、ひとつだけ希望があります。

クレジットカードで支払っていた場合は、カード会社に「支払い停止の抗弁」を申し出ることで、引き落としを止められる可能性があります。もし振袖の会社が倒産してしまったら、まずはカード会社に連絡してみてください。

ハレノヒ事件とは?

引用

振袖の会社の倒産で最も有名なのが、2018年に起きた「はれのひ事件」です。

事件のあらまし

2018年1月8日、成人の日の朝。

振袖の販売・レンタルを行っていた「はれのひ株式会社」(横浜市)が、突然すべての店舗を閉鎖しました。

この日のために振袖を予約していた新成人たちが着付け会場に向かうと、スタッフは誰もおらず、電話もつながらない。社長の行方もわからない。

警察には200件を超える通報が寄せられ、振袖を着られないまま涙を流す新成人の姿が全国ニュースで大きく報じられました。

被害の規模

項目内容
被害者数約1,200〜1,600人
負債総額約6億3,500万円(破産申立時)
契約金ベースの被害額2億円以上
店舗数最盛期6店舗(横浜・八王子・つくば・福岡など)

なお、福岡天神店のスタッフだけは本社の指示を無視して当日も営業を続け、予約していた新成人の着付けを行いました。この対応は「神対応」として話題になりました。

その後どうなった?

「はれのひ事件」のその後の流れを、時系列でまとめました。

事件後の動き

2018年1月26日 横浜地方裁判所が破産手続きの開始を決定。同日、姿を消していた篠崎洋一郎・元社長が記者会見を開き謝罪。

2018年1月29日〜 破産管財人のもとで、被害者が預けていた自前の着物の返還が始まりました。ただし、レンタル品は対象外でした。

2018年6月20日 第1回の債権者集会が開催。負債は約10億8,500万円にふくらんでいた一方、会社に残っていた資産は振袖の売却代金の約1,620万円だけ。被害者への返金(配当)は行われないことが発表されました。

2018年6月23日 元社長の篠崎洋一郎が、粉飾決算で銀行から融資金をだまし取った詐欺容疑で逮捕。

2018年12月19日 横浜地裁で懲役2年6か月の実刑判決。

2019年5月24日 東京高裁が控訴を棄却し、実刑が確定。

2021年 刑期満了により出所。

結局、被害者への返金はゼロ。元社長には実刑判決が下されましたが、お金が戻ってくることはありませんでした。
「泣き寝入り」という言葉がそのまま当てはまる結末です。

つまり、振袖の会社が倒産してしまうと、お金も振袖も戻ってこない可能性が高いということ。だからこそ、次の章でお伝えする「倒産リスクの低い会社の選び方」がとても大切になってきます。

成人式の振袖の会社が倒産するリスクを回避する会社選びのポイント

ここまで、成人式の振袖の会社が倒産した場合に起きうるトラブルや返金の厳しい現実をお伝えしてきました。「じゃあ、どうすれば倒産リスクの高い危険な会社を避けられるの?」と思いますよね。

ここからは、よくある質問への回答も交えながら、万が一に備えた安全な会社選びの具体的なポイントを解説していきます。

倒産リスクが高い会社に共通する危険な特徴

「はれのひ事件」や2024年末に沖縄で起きた着物業者のトラブルなど、過去の事例を振り返ると、倒産リスクが高い会社にはいくつかの共通点が見えてきます。

契約する前に、以下のポイントに当てはまっていないかチェックしてみてください。

こんな会社は要注意! 5つの危険サイン

「今日だけ半額」など極端な値引きをしてくる:通常20〜30万円する振袖レンタルを大幅に割り引く場合、とにかく現金を集めたい=資金繰りに困っている可能性があります

「今日決めないとこの振袖はなくなります」と急かしてくる:国民生活センターも注意喚起しているように、即決を迫る勧誘はトラブルの元です

全額前払いを強く求めてくる:2年も前から全額を払わせようとする会社は、お客さんのお金で資金繰りをまわしている恐れがあります

会社の設立年数が浅く、実績が見えない:「はれのひ」も設立からわずか7年で破綻しました。口コミや実績がほとんど確認できない会社には注意が必要です

スタッフの入れ替わりが激しい・対応が雑:給与の未払いが起きている会社では、スタッフが次々と辞めていきます。電話対応や接客の質が急に落ちたら黄色信号です

安全な会社を選ぶためのポイント

  • 地元で長年営業している老舗の呉服店や、全国展開の大手フォトスタジオを選ぶ
  • Googleの口コミやSNSで実際の利用者の声をチェックする
  • 支払いはできるだけクレジットカードを使う(万が一のとき「支払い停止の抗弁」が使えます)
  • 契約書・領収書は成人式が終わるまで必ず保管しておく

「安いから」「おしゃれだから」だけで選ぶのではなく、その会社が本当に信頼できるかどうかを見極めることが、一生に一度の成人式を守る最大の対策です。

よくある質問:万が一に備えて知っておきたいこと

クレジットカードで払っていれば全額返金されますか?

全額返金が保証されるわけではありませんが、「支払い停止の抗弁」という制度を使って、まだ引き落としされていない分の支払いをストップできる可能性があります。
ただし、4万円以上の取引であること、分割払いやリボ払いであることなどの条件があります。一括払いは原則として対象外なので注意してください。万が一のときは、すぐにカード会社に連絡しましょう。

現金で全額払ってしまった場合、お金は戻ってきますか?

正直にお伝えすると、戻ってくる可能性はかなり低いです。会社が破産した場合、消費者への返金は税金や従業員の未払い給料よりも後回しになるため、資産が残っていないケースがほとんどです。「はれのひ事件」でも、被害者への配当はゼロでした。

倒産を知ったら、まず何をすればいいですか?

以下の3つをすぐに行ってください。

  1. 契約書・領収書・振込明細を手元に集める
  2. クレジットカード払いの場合はカード会社に連絡する
  3. 消費者ホットライン「188」に電話して相談する

お住まいの地域の消費生活センターにつながり、専門の相談員が対応してくれます。

まとめ:成人式の振袖の会社が倒産したときに後悔しないために

成人式の振袖の会社が倒産すると、振袖が届かない・返金されないという深刻な被害につながります。2018年のはれのひ事件では、被害者への返金はゼロという結果に終わりました。

「まさか自分の契約先が」と思っていた方が、実際に被害に遭っているのが現実です。しかも、2024年末には沖縄でも同様のトラブルが発生しています。

こうした事態は、過去の話ではなく今も起こりうるリスクなんです。だからこそ、契約前の段階で「この会社は本当に大丈夫?」と立ち止まることが大切です。

この記事でお伝えしたことの中から、ポイントを絞ると以下の通りです。

  • 振袖の会社が倒産すると、前払いしたお金はほぼ戻ってこない
  • クレジットカード払いなら「支払い停止の抗弁」で被害を減らせる可能性がある
  • 即決を急かす会社・極端な値引きをする会社は倒産リスクが高い
  • 地元で実績のある老舗や大手を選び、口コミも必ず確認する
  • 契約書・領収書は成人式が終わるまで必ず保管しておく

参照元

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この記事を書いた人

成人式や振袖・着物に関する取材・記事執筆を10年以上行い、全国の振袖専門店やフォトスタジオを取材してきた編集者。
自身も着物愛好家であり、最新トレンドから伝統的な和装文化まで幅広く精通。
公式情報の確認と実体験を重視した発信をモットーに、読者が安心して振袖選びができるよう、正確で信頼性の高いコンテンツを提供している。

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